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インディペンデントコントラクターと従業員:複雑な定義

February 17, 2012

「誰がインディペンデントコントラクターで誰が従業員か?」この問題は近年非常に重要なトピックとなった。インディペンデントコントラクターを擁する民間企業の数は増加しており、税収の減少を恐れた連邦・州政府は、雇用主に従業員を正しく区別けるようにプレッシャーをかけてきた。カリフォルニア州は、インディペンデントコントラクター区分を故意に悪用した雇用主に対して、より厳しい罰金・刑罰を課す法改正を最近行った。また、連邦労働局は12の州と提携し、コスト低減の為に意図的なミスクラシフィケーションを行う雇用主への規制を行うことを宣言した。

インディペンデントコントラクターか従業員かを見分ける手段として、個々のケースを法律や従業員区に関連した「慣習法」と照らし合わせる方法がある。

慣習法は裁判結果に基づくものである。従い、慣習法にて従業員区分を調べる場合は「区分についての法的解釈」および「雇用主が対象者の職務遂行に対してどの程度の指示またコントロールを行っているか」を調べる形になる。尚、米国歳入庁(IRS)のSection
3121(d)(2)は「『従業員』とは慣習法に基づいて従業員と区分される者」としている。

この考え方に則れば、「雇用主が労働者の労働に対して指示またはコントロールを行っている場合」は労働者は『従業員』とみなされる。ここでの『コントロール』とは、雇用主が労働者の職務成果に影響を及ぼすことだけでなく、職務達成にも影響を及ぼすことも含む。従い、従業員とは「作業結果」と「どのようなプロセスで結果を出すか」の2点を雇用主が管理しているものを指す。

一方、インディペンデントコントラクターは「契約に基づき商品やサービスを他の個人・ビジネス組織に提供する労働者またはビジネス組織」であり「インディペンデントコントラクター・雇用主の双方が従う契約を作成する場合を除き、雇用主にコントロールや指示されない者」である。この場合、契約における業務はその結果や商品・サービスが重視されるが、業務達成のためのプロセス・方法は重視されない。米国財務省(Department of Treasury)の規程31.3401(c)-1は「医師、弁護士、歯科医、獣医、請負業者、下請け業者、速記者、競売人、その他個別のトレードやビジネスまたは専門職を公にサービスとして提供する者は、一般的にインディペンデントコントラクターとみなされる」としている。すなわち、インディペンデントコントラクターとなりえるには、提供されるサービスに特殊な技術が求められる、またはサービスがスペシャリストと呼ばれる分野である事が求められる。

IRSは長きに渡りインディペンデントコントラクターと従業員の区分についての「要素20項目テスト」を使用してきた。しかし、IRSは最近になって要素20項目テストを3つのカテゴリー(それぞれに11要素を設定)に修正統合した。IRSのPublication 1779, Independent Contractor or
Employee . . .
によれば、3つのカテゴリーは(a)
behavioral control(行動のコントロール); (b) financial control(金銭的コントロール); and (c) Relationship of the Parties(双方の関係)とされている。

慣習法とIRSによる上記の要素テストは、従業員区分に関して最も知られている手法である。但し、労働局(U.S. Department of Labor 、“DOL”)は賃金や残業代について規程する構成労働基準法(Fair Labor Standards Act ,“FLSA”)の施行にあたり、従業員の区分は雇用主・労働者間の「経済的な状況」ではなく以下の要素を注視すると発表した:1)  労働者により提供されるサービスが、雇用主のビジネスにとって不可欠であるかどうか;2)  関係の永続性;3)  労働者による施設・設備への投資度合い;4)雇用主によるコントロールの理由およびその度合い;5)  労働者がサービスの損益をコントロールできるか;6)  インディペンデントコントラクターとして業務を達成するに当たり、労働者が主導権、判断権、マーケットにおける見通しなどについてどの程度の権限を持っているか;7)  労働者の独立性の度合い

 

更に、裁判所はインディペンデントコントラクターと従業員の区分判断に、およそ10の要素を用いて判断している。尚、裁判所が使用している要素の多くはIRSが使用しているものと同じであり、裁判所が行う慣習法テストでは「業務の理由や方法について誰がコントロールまた指示をしているか」が重視されるが、これはIRSのテストと同じである。

機関によって従業員ステータスを調べるテスト方法が異なり、またそれぞれのテストには多くの要素がある事が混乱を招く。混乱を防ぐには、過去の判例やIRS/DOLが発行したオピニオンレターを調べるべきである。多くの企業は、判例で認められたインディペンデントコントラクターに近い形態をとることで安全性を高めるようにしている。連邦法への最低限の対策とすれば、判例そしてIRS/DOLによるオピニオンに基づいた形態をとる形が安全であろう。更なる安全を目指すのであればIRSに正式に見解を求める方法もある。(見解を求める場合はIRSフォームSS-8、“Determination of Employee Work Status for
Purposes of Federal Employment Tax Obligations”を使用する)

連邦、IRS、DOLに加え、インディペンデントコントラクターについて規程を州も持つ存在する。残念ながら、州独自の従業員ステータス基準・テストは、更なる混乱と問題を引き起こしている。州条例や州法においてインディペンデントコントラクターについて規程を設定する州は増えており、その殆どは既存の慣習法に近しい内容である。しかし、州によって追加規定や異なる部分があるかは調べるべきであろう。

このような状況で雇用主はどうすべきか?以下は弊社からの推奨事項となる:

  1. まず、IRS の新基準をを入手し、自社のインディペンデントコントラクターの状況と照らし合わせる。IRSの新基準は“IRS 11-factor test for independent contractors”とインターネットで検索すれば、テストおよび幾つかのサンプルが手に入る。まずはテストで何を求められているかを知るべきだろう。更に、対象者の居る州がインディペンデントコントラクターの規程を設けているかを調べる必要もある。州での規程がある場合、その規程はIRS/DOL,もしくは判例と若干異なるケースが多い。
  2. 対象者がインディペンデントコントラクターとして成立する場合は、インディペンデントコントラクター契約書を交わす事で正式な関係を結ぶ。また、税法に絡み、W-9やForm 1099等の書類も必要となる。
  3. 過去の従業員をインディペンデントコントラクターとして再雇用するのは、あまり良いアイデアでは無いだろう。再雇用において過去の雇用時と同じ仕事をさせる場合は特に問題となりえる。再雇用に際してインディペンデントコントラクターの要求を多く満たしていなければ、発覚した場合は問題となる可能性は高い。
  4. インディペンデントコントラクターの業務は自社のコアビジネス以外が望ましい。これはIRS 新基準の一つ「インディペンデントコントラクターが従事する業務は自社のコアビジネスか?」という質問に起因する。従事する業務がコアビジネスであれば、雇用主・従業員関係の強く示すものとなる。
  5. いかなるコントラクターも、彼らは正規のビジネスであるべきである。従い、ビジネス名、名刺、オフィス、公衆に向けた広告、他の顧客等が居るのが望ましく、これらが要因を満たせばインディペンデントコントラクターである事がを強く示される。
  6. インディペンデントコントラクターは一般的に「職務に費やした時間」ではなく「遂行する職務」に対して報酬が支払われる。また、通常の従業員に行うようなベネフィットの付与、特定の経費払い戻しは行うべきでは無い。業務遂行に発生する経費はインディペンデントコントラクターがその報酬にて賄うべきで、報酬を含みそれらの詳細の契約内容はインディペンデントコントラクターが考えるべきであろう。
  7. インディペンデントコントラクターは自身の業務時間の裁量を持つべきである。決められた時間を働くように雇用主が設定した場合は、ミスクラシフィケーションの可能性が生ずる。
  8. 時間と同じく、業務内容もインディペンデントコントラクターが自身で裁量を持つべきである。一般的に「何時・どこで、どのように業務を達成するか」はインディペンデントコントラクターが決定権を持つべきである。

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